群馬リカバリーねっと
はじまり
平成26年の冬に縁があって、群馬県佐波郡玉村町に精神障がい者のための施設を作ってほしいという申し出と、古いが、取りあえず使える建物もあったことで、『たぶん何とかなるだろう』と漠然と考え施設を始めることにしました。
そう考えた理由は、2つ
1つ目は、以前、精神障がい者の通所施設を造るためにNPOを設立して、現在その施設が規模も大きくなり地域に貢献できていること。
2つ目は、精神障がい者は、医療を必要としている“患者さん”であること。障害者基本法で、障害者を、身体障害、知的障害と精神障害の3障害と規定されていますが、精神障がい者は、就労訓練施設であっても、医療側の知識が必要だと考えていたので、福祉スタッフだけでなく、医療スタッフがいる施設を造りたいという思いがあったからです。
運営資金は、協力してくれる精神科医師からの借り入れと、自分たちの出資金でした。それを元手に4月から通所施設を開所しました。NPOの設立は7月16日です。
障害者就労支援B型施設の認可は、9月1日から受け、精神科看護経験のある看護師を施設長に迎えスタートを切りました。
広報することもなく、ひっそりと始めたため、定員20名のところ4名の通所者でした。運営費のサービス管理費は少なく、出資金の切り崩しでマイナスが増えるばかりでした。3年目には、ようやく借金が返せました。
4年目は、多機能型の施設の要望に応えるために、就労移行支援とグループホームを始めました。
こころの病気の人たちの施設
知的障害者、身体障害者、精神障害者の3つの障害は、障害の内容は全く違ったものです。特に精神障害者については、他の二つの障害と大きく違っています。
仕事に就くためには、多くの人たちは、薬を飲み、病状を安定させる必要があります。そのため、就労訓練と同時に、病状を安定させるための日々の支援が重要となります。
多くの人に病状の波があり、悪化した時は、薬のこと、病状のことが分かるスタッフがいることで、多少の病状の波は、主治医や医療スタッフと協力し、安定した生活に戻すことが出来ます。
医療だけで就労することは難しく、また、就労訓練だけで仕事に就くことはできません。だから、スタッフは、医療のわかるスタッフが中心となり、病状の安定と就労訓練を行っています。これまでの3年間で6人の方が就職し5人の方が継続しています。
治療をしっかり見据えて、就労のための生活リズムの確立や働く身体づくりを基本として取り組んでいます。
ブラック企業にたまたま就職し、うつ病になってしまうと、“精神障がい者”となります。治ってしまえば、もちろん障がい者でなくなりますが、誰でもなってしまう身近な“障がい”と言えます。医療は重要な『鍵』です。